「プチプラファッション」と聞くと、手軽に買えて流行も取り入れやすく、私たちの日常にとても馴染み深い存在です。ついつい可愛いデザインやセール品に目を奪われて、必要以上に洋服を買ってしまった…そんな経験がある方も多いのではないでしょうか？
でもその「安さ」は、どこから来ているのでしょうか？
実はその裏側で、多くの人々が厳しい現実に晒されていることを、私たちはどれほど知っているでしょうか。
「ラナ・プラザの悲劇」が私たちに教えてくれたこと
2013年、バングラデシュで起こった「ラナ・プラザの崩壊事故」をご存じですか？
縫製工場が入ったビルが崩壊し、1,134人が命を落とし、2,500人以上が負傷するという大惨事が起きました。多くの犠牲者は、私たちが日々手にしているようなファストファッション製品をつくっていた労働者たちでした。
この事故は、ファッション業界の「闇」を世界中に知らしめた大きなきっかけとなりました。
私たちが「便利」に手に入れている洋服の向こう側で、誰かが過酷な労働を強いられ、命を落としていた――その事実を私たちはもっと真剣に受け止めなければなりません。
洋服を選ぶ「力」が未来を変える
私たち一人ひとりが、賢く洋服を選ぶこと。それこそが、このような悲劇を二度と繰り返さないための第一歩になるのです。
高価な洋服を選べという話ではありません。大切なのは「背景を意識すること」と「自分にとって本当に必要なものを見極める力」を持つことです。
流行りに流されて毎月のように新しい洋服を買うのではなく、自分に似合って、長く愛せるものを選ぶ。そうすることで、無駄な消費が減り、安価で大量に作られる洋服の需要も自然と減っていきます。
自分に似合う洋服を、自分で選べるようになるということ
私は、ファッションのプロとして、そして一人の生活者として、「自分に似合う洋服を自分で選べるようになる」ことの大切さを強く感じています。それは単におしゃれを楽しむためだけではありません。
自分に似合う、心地よい洋服を自分の感性で選べるようになることで、洋服を「消費する」という行動に対する意識が自然と変わってくるからです。
結果として、必要以上に服を買うことが減り、環境にも、そして過酷な状況で働く人々にも優しい選択へとつながっていきます。
ファッションの裏側に目を向けて
「安いから買う」のではなく、「この洋服はどこで、どんな風に作られたのか？」を意識してみる。
それだけでも、私たちの選択は少しずつ変わっていくはずです。
私たちが賢く選ぶことで、遠く離れた国で生きる誰かの未来を少しだけでも良い方向へ変えていける。そう信じています。だから私は、ただ洋服を「買う」のではなく、「選ぶ力」を育てることを、これからも発信していきたいと思っています。
ファッションは、自分を表現する手段であると同時に、他者を思いやるきっかけにもなります。
そんな想いを胸に、これからの「お買い物」を少しだけ見つめ直してみませんか？
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