近年「断捨離」が一般的になり、クローゼットをすっきりさせることが良いとされる風潮が広がっています。「もう着ない服は思い切って捨てよう」といった言葉は、雑誌やSNSでもよく目にするようになりました。
かつて私自身も、その流れに乗って多くの洋服を処分しました。中には、丁寧に仕立てられた上質なスーツも含まれており、今思えば少し後悔が残っています。
新しいもののほうが機能的で便利に見えるかもしれませんが、必ずしも“良いもの”とは限らないのです。むしろ、近年のファストファッションの広がりにより、全体的な服の品質は確実に下がっていると私は感じています。
たとえば、最近のジャケットにはポリエステル素材のものが多く見られます。たしかに軽くてシワになりにくく、扱いやすいのですが、「上質」とは少し違うのです。
良い素材、良い仕立ては、見る人には分かる
昔の洋服の中には、今ではなかなか手に入らないような上質な天然素材のものがたくさんあります。たとえば、風合いのあるウール、柔らかなコットン、しっとりとしたシルクなど…。それらは単なる見た目以上に、着心地や存在感で「良いもの」であることを語ってくれます。
そうした洋服は、たとえ形が今の流行と合わなくても、少し手を加えてリメイクすることで、今の時代に再び輝かせることができます。ワンピースやコートなど、シルエットを変えるだけで生まれ変わるものも多いのです。
また、良い素材や仕立ての洋服を着ていると、「見る人が見ればわかる」ものです。言葉にしなくても、周囲の人の印象は確実に変わります。洋服は自分を語るツールでもあるのです。
今と昔の洋服の違いとは?
最近の洋服は、機能性に優れた合成繊維が多く使われ、見た目もカッコよく作られています。吸水性・速乾性・ストレッチ性など、現代の生活に便利な要素が加わっているのはたしかです。
しかし、どこか“温もり”が感じられないのです。これは、生地の風合いだけではなく、仕立てそのものの違いから来ていると思います。
1990年代以前の洋服には、細部にまで丁寧に手がかけられていました。見えないところにポケットがついていたり、ボタンがひとつずつ手で縫い付けられていたり。そのような「心遣い」は、袖を通したときに伝わってくるのです。
一方、最近の大量生産された洋服では、ミシン目が粗かったり、ボタンが簡単に取れてしまったりと、「とりあえず形だけ整えた」ようなものが少なくありません。
ものづくりの心が見えなくなってきている
ある縫製職人さんがYouTubeで話していた言葉が印象的でした。「最近の洋服には、作り手の“愛”が感じられない」と。
私も同じように感じることがあります。服の構造や縫い方を見て、「丁寧に作ろう」という気持ちが込められているか、あるいは「早く、安く、大量に」という思考で作られたのかが、伝わってくるのです。
服に“心”が込められていないと、着る側もまた、その服を大切にしようと思えません。だからこそ、新しい服を手にしても、すぐに飽きてしまったり、数回着ただけで処分してしまう人が多いのです。
リメイクという選択肢を
たとえば、昔のワンピースを今風のシルエットに変えたり、ジャケットの肩幅を調整して自分の体に合うように仕立て直したりすることで、まったく新しい一着に生まれ変わります。
もしクローゼットに、お母様やおばあ様の洋服、自分が以前愛用していた洋服があるなら、それをリメイクして着るという選択肢を考えてみてはいかがでしょうか?
それは単に“古いものを使う”ということではありません。「上質なものを大切に着続ける」という、豊かな心の表れでもあります。

まとめ:モノを大切にする美意識を、今こそ取り戻そう
もちろん、断捨離で気持ちを整理することも大切です。ただし、新しい服が必ずしも優れているとは限らないことを、ぜひ心に留めておいてください。
本当に上質な洋服は、時代を越えて価値を持ちます。そしてそれをリメイクして着ることは、見た目の美しさだけでなく、文化や感性をも着こなすということ。
目先の流行に流されず、自分にとって「本当に良いもの」を見極めて着ること。それが、今の時代にこそ必要な“おしゃれの在り方”ではないでしょうか。
そしてそれは、日本人が古くから大切にしてきた「モノを慈しむ心」を、現代に蘇らせるきっかけにもなるはずです。
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